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2020.01.05 » 2か月 前

2020年の予言と「件(くだん)」


皆様、明けましておめでとうございます。

2020年も妖怪の年となることを祈念しております。

しかし、2020年は色々と波乱のある年になりそうです。

 

2019年の大晦日には、カルロス・ゴーン被告が国外逃亡したというニュースが流れました。

また、年明け早々の1月3日には、アメリカ軍がイラン革命防衛隊コッズ部隊のガセム・ソレイマニ司令官を、イラクの首都バグダット空港へのドローンによる空爆で殺害したとのニュースがありました。

これにより、イランはアメリカへのテロ攻撃やサイバー攻撃などの報復処置を行うものとみられています。

一方で、アメリカのトランプ大統領は、イランが米国の国民や財産に攻撃を仕掛けた場合、反撃として「われわれはイランの52カ所を標的にする」とツイッターに投稿し、牽制を仕掛けています。

これらの動きを受けて、世界中で「第三次世界大戦(WW3)」の勃発を懸念する声が上がっています。

今まで創作物などで「第三次世界大戦」が登場することは多々ありましたが、それが現実に起こり得る状況になってきてしまいました。

第一次や第二次世界大戦当時の状況とは全く異なる現在において、世界大戦規模の戦争を行うことはまったく合理的ではありませんが、合理的でない選択肢を行うのが人間の性であり、歴史や過去の教訓を見ても、そこから何も学ばないのが人間の性である以上、人類の賢さに期待するのは難しいかもしれません。

 

新年早々に暗い話題になってしまいましたが、2020年に地球が滅亡するという予言は、過去にいくつもありました。(毎年、何かしら地球滅亡の予言は出てきていますが・・・。)

1999年の予言で有名なノストラダムスの大予言でも、地球温暖化による海面上昇により、資源減少、水と食糧の危機、多くの難民を引き起こし、それが世界的な紛争に結びついて第三次世界大戦になる可能性があると予言しています。

マヤ文明のマヤ暦では、2020年3月20日にオリオン座のベテルギウスの超新星大爆発が起き、ガンマ線バーストの影響でオゾン層が破壊され、そこから放射線が地上に入り込み、その放射線の影響と気温の激しい上昇により、この日に地球上の生物は焼き尽くされすべて灰となり滅亡する、といわれています。(以前はこの滅亡の日が2012年12月21日とされていましたが、それが外れて計算し直した結果、2020年とされているようです。)

聖徳太子は、未来を見通す不思議な力があり、「未来記」なる書物を残していたといわれています。その中でも、「私の死後200年以内に、山城国に都が築かれ、1000年に渡って栄える(=平安京)。しかし『黒龍』(=黒船)が訪れ、都は東に移される(=東京)。しかしその東の都は200年後、『クハンダ』が来て、親と7人の子どものように分かれるだろう」という予言があり、2019年には、天皇陛下の譲位と新天皇の即位によって霊的な守護力が弱まる2019年4月30日~5月1日こそ、その「クハンダが来る時」だと騒がれていました。

厳密には京都から東京に遷都されたのが1869年ですから、2019年は150年後に当たりますが、得てして予言は不正確なものですので、今年もその範疇として注意が必要かもしれません。

とはいえ、ノストラダムスも、マヤ暦も、聖徳太子のクハンダも、それぞれ1999年、2012年、2019年に騒がれていたものの、結局は予言が外れているので、今回も杞憂で終わるかもしれません。

しかし、このように予言や噂話が流行するのは、それだけ人々が社会情勢に不安を感じていることの証左であると考えられます。

 

件(くだん)」は、社会情勢が不安になったときや、歴史に残る大凶事の前兆として生まれ、数々の予言をすると云われている妖怪です。

その見た目は「件」という漢字のとおり、半人半牛の姿をした怪物として知られており、多くは人間の顔と牛の身体を持つ怪物とされていますが、牛の頭部と人間の身体を持つとする説もあります。

「件の如し(如件)」という定型句の語源は、「件の予言が外れないように、嘘偽りがないという意味である」という説もあります。

クダンは、江戸時代頃から目撃例があります。

有名なものとして、天保7年の12月丹後国・倉橋山で人面牛身の怪物『件』が現れたとされ、瓦版が残っています。この報道の頃には、天保の大飢饉が最大規模化しており、豊作への期待を込めた人びとの気持ちが「件」という形で現れたといわれています。

その後、幕末や第二次世界大戦期など、社会情勢が不安になるたびに、くだんの目撃例があがります。

第二次世界大戦末期から戦後復興期にかけては、それまでの人面牛身の件に代わって、牛面人身で和服を着た「牛女」の噂も流れ始めたといわれています。

小説家の小松左京は、これらの噂を取材して、小説『くだんのはは』を執筆しました。

近年では、阪神大震災のときに救出活動に当たっていた自衛隊員が、崩壊した街中にたたずむ「件」を目撃したり、東日本大震災の際には八戸市で「牛女」の目撃情報があったりします。

2020年1月現在、件の目撃情報はまだありませんが、世界的に不安が高まる中、いつ「件」が出てきてもおかしくはないかもしれません。

色々と不安はあるものの、2020年が平和でよい一年となりますように、祈願いたします。

 

画像=(C)FAMOUS、『新纂仏像図鑑 天之巻』(国会図書館デジタルコレクション)、「倉橋山の件を描いた天保7年の瓦版」

文=渡邉恵士老

 

■渡邉恵士老(けいちゃん)

北海道旭川市出身。早稲田大学人間科学部卒。在野の妖怪研究家。公認情報システム監査人(CISA)。

現在は経営・ITコンサルティングを生業として、北海道札幌市に居住しつつ道内各地や東京などを駆け巡っているが、大学の時には民俗学・文化人類学を学んでおり、ライフワークとして妖怪の調査研究を続けている。

現在住んでいる北海道にまつわる妖怪や、ビジネス・経済にまつわる時事ニュースと絡めた妖怪の記事を執筆中。

Twitter:twitter.com/keishiro_w

ブログ:blog.livedoor.jp/meda3594/

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