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2019.08.25 » 3か月 前

いまさらですが「令和」と妖怪


「劇場版 仮面ライダージオウ Over Quartzer」をご覧になった方はいらっしゃいますでしょうか。

冒頭から妖怪の話ではなく恐縮ですが、「平成」から「令和」に元号が変わってから3か月以上経った今、改めて「平成」の総括と新しい「令和」の時代を考えるきっかけになる映画でした。

そんな大層な感想抜きにしても、昭和の最後の頃に生まれて「平成ライダー」をリアルタイムで観てきた世代としては、とても感慨深く、単純に娯楽としてもとても楽しめる作品でした。

 

というわけで、閑話休題。

今回は、「令和」にまつわる意外な妖怪のご紹介です。

今更の話題ですが、2019年5月に、元号が「令和」になりました。

出典としては、万葉集のゆめのはなのうたからきているようです。

万葉集 梅の花

「帥の老の宅に萃ひて、宴会を申ぶ。時に初春の令月、気淑く風和ぐ。梅は鏡前の粉を披き、蘭は珮後の香を薫らす。」

なお、万葉集の該当箇所の更に出典というかルーツは、後漢の張衡の詩賦のようです。

「於是仲春令月 時和氣清」

張衡は、科学者として有名で、世界初の地働儀(地震感知器)などを発明したらしいです。

ロマンがありますね。

万葉集の話に戻りまして、「梅の花」の歌を詠んだのは、大伴旅人と言われています。

大伴旅人は、晩年60歳を過ぎてから、大宰府への赴任を命ぜられます。この老人に鞭打つような赴任は、当時権力を持っていた藤原氏による左遷人事とも、当時の国際情勢を踏まえた唐や新羅との外交・防衛上の要所での手腕を期待しての派遣とも云われています。

ただ、大伴旅人以外に、「梅の花」や「大宰府への赴任」というキーワードで有名な人物がいることに気が付かないでしょうか。

そう、学問の神様として有名な菅原道真です。

菅原道真は、大伴旅人よりも100年以上後の時代の人ですが(大伴旅人は奈良時代、菅原道真は平安時代)、藤原氏に妬まれて大宰府へ左遷されるという、共通の経歴があります。

あまり知られていませんが、菅原道真と関りの深い妖怪がいます。

それは、河童です。

901年、菅原道真が筑後川で暗殺されそうになった際、「三千坊」という河童の大将が道真を救おうとして手を斬り落とされ落命した、もしくは、道真の馬を川へ引きずり込もうとした三千坊の手を道真が斬り落とした、という伝承が福岡県の北野天満宮に、河童の手のミイラとともに残されています。

助けようとしたのか、襲おうとしたのか、まったく違いますが、結果として三千坊は手を斬り落とされ、その手のミイラは北野天満宮で大切に保管され、25年に一度、一般公開されているそうです。

「令和」の元となった万葉集の歌を詠んだ大伴旅人。大伴旅人と共通点の多い菅原道真。そして、菅原道真と関係のある妖怪が、河童。

ということはつまり、「令和」と河童は関係が深いといっても過言ではないのかもしれません(!?)。

そして、冒頭の仮面ライダーの話に戻りますが、本日8月25日でテレビ版「仮面ライダージオウ」は最終回を迎え、来月から始まる令和初の「仮面ライダーゼロワン」は、AI(人工知能)をモチーフとして始まるらしいです。

AIという、最新のトピックが仮面ライダーに用いられるのは面白いですね。

妖怪も、新しいものを取り込んで、時代とともに変化していくものです。

(とはいえ、「妖怪千体説」のように、変化していると見せかけて、本質は変わっていないのかもしれませんが)

「令和」(霊和)という新しい時代が、妖怪の時代となるように祈念しております。

文=渡辺恵士老

写真=北野天満宮公式ホームページより

www.kitanotenmangu.or.jp/index.php

参考文献:「日本妖怪ミイラ大全」(山口直樹、学研パブリッシング)、「日本ミステリアス妖怪・怪奇・妖人事典」(志村有弘、勉誠出版)、「日本の民話 59 大分の民話」(未来社)

■渡辺恵士老(けいちゃん)

北海道旭川市出身。 早稲田大学人間科学部卒。在野の妖怪研究家。

現在は北海道札幌市と東京の二拠点生活をしながら、経営・ITコンサルティングを生業としているが、大学の時には民俗学・文化人類学を学んでおり、ライフワークとして妖怪の研究を続けている。

現在住んでいる北海道にまつわる妖怪や、ビジネス・経済にまつわる時事ニュースと絡めた妖怪の記事を執筆中。

Twitter:twitter.com/keishiro_w

ブログ:blog.livedoor.jp/meda3594/

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