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2020.03.30 » 4か月 前

新型コロナと和牛(水虎、牛鬼)


新型コロナウイルスの猛威が止まりません。

東京都では不要不急の外出自粛を呼びかけたことと、関東甲信の広い範囲で降雪があったことから、3月29日には週末にもかかわらず東京都内の人通りは激減していました。

30日には、新型コロナウイルスに感染し、闘病していた志村けんさんが亡くなっていたというニュースも流れました。心からご冥福をお祈りいたします。

東京では感染者数が日々増えており、都市封鎖(ロックダウン)目前とも言われています。

ただ、新型コロナに対しては希望となるニュースも出てきています。

新型コロナへの対抗のカギ・センザンコウ

体がうろこで覆われている珍しい哺乳類「センザンコウ」の仲間から、新型コロナウイルスに類似したウイルスが発見されました。コロナウイルスが自然界に広がるうえでセンザンコウが重要な役割を果たしている可能性があると指摘されており、この研究により新型コロナに対抗するための手段が見つかるかもしれません。

センザンコウと水虎

センザンコウは古くから中国に棲息していた動物であり、中国版の河童と言われる水虎の鱗は、センザンコウのようだと例えられることがあります。

ちなみに、河童は「河童の妙薬」を持っていると云われており、いたずらしたことへのお返しや、助けてもらった際の恩返しとして、怪我や病気に効く薬をくれるという伝承があります。

「うしおととら」に出てくる遠野の河童が、仲間の傷を癒す薬を塗ってくれるのは、ここからきていると思われます。

和牛と疫病の神

また、日本では新型コロナの経済対策として、和牛券やお魚券などの商品券を配布することが検討されています。その後、現金給付や各種減税も検討されているようですが、最初に報道された和牛の商品券のインパクトは大きいものでした。

和牛と言えば、東京向島の牛嶋神社はスサノオを祭神としており、牛嶋神社に奉納された石製の撫牛は、牛頭天王信仰に淵源を発するものと考えられています。

牛頭天王は、京都八坂神社の祭神で、疫病の神として畏怖され、スサノオと同一視されています。

牛鬼と疫病

また、牛と言えば牛鬼(うしおに)は、各地に言い伝えの残る妖怪ですが、その中でも愛媛県の宇和島では、「うわじま牛鬼まつり」として現在に至るまで祀られている妖怪です。

今治市菊間町に残る伝承では、昔疫病が蔓延した時に疫神退散のために始まったもので、ある年牛鬼を出さなかったとき再び疫病が蔓延したので、それからは途絶えることなく祭礼の神賑わいとして行われることとなったと伝えられています。

以前にもご紹介したアマビエは、ネットやテレビでもその姿を描いた絵を人々に早々に見せることで 疫病退散になる妖怪として取り上げられるようになりました。

また、人の顔に牛の身体を持つ、あるいは牛の顔に人の身体を持つ件(クダン)も、疫病を予言すると云われます。

今回ご紹介したセンザンコウや和牛などに関係する、水虎河童牛鬼なども疫病退散の護り神的な妖怪として語られることがあります。

新型コロナ禍への対抗策は国や政府が主導となって行うべきではあるものの、草の根の疫病退散活動を行う際には、妖怪の力が頼りになるのかもしれません。

 

画像=鳥山石燕『今昔画図続百鬼』より「水虎」、牛嶋神社(東京都墨田区向島)の撫牛、佐脇嵩之『百怪図巻』の「うし鬼」

参考文献:「決定版 日本妖怪大全 妖怪・あの世・神様」(水木しげる、講談社文庫)、「日本妖怪大事典」(水木しげる、村上健司、角川文庫)

文=渡邉恵士朗

 

■渡邉恵士老(けいちゃん)

北海道旭川市出身。早稲田大学人間科学部卒。在野の妖怪研究家。公認情報システム監査人(CISA)。

現在は経営・ITコンサルティングを生業として、北海道札幌市に居住しつつ道内各地や東京などを駆け巡っているが、大学の時には民俗学・文化人類学を学んでおり、ライフワークとして妖怪の調査研究を続けている。

現在住んでいる北海道にまつわる妖怪や、ビジネス・経済にまつわる時事ニュースと絡めた妖怪の記事を執筆中。

Twitter:twitter.com/keishiro_w

ブログ:blog.livedoor.jp/meda3594/

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