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2020.05.01 » 4週間 前

おすすめ妖怪本紹介~今のうちに知識を蓄えろ!~


さて、例のアレがアレなので家にいる時間がもう少し長くなりそうである。そろそろ皆さんの心の中にも以津真天がとりつき、「いつまで…」と恨めしく思う頃なのではないだろうか。

そんな日々は逆手に取り、妖怪知識を詰め込む「貯め」の期間だと思うのが吉だと僕は思う。だから今回は、僕がこの期間にお勧めしたい妖怪本を紹介していく。
皆さんの良い娯楽になってくれる、信頼のおける本たちだ。

これを読めばひとまず網羅!?

「妖怪文化入門」
妖怪の成り立ち、妖怪とは何かということが非常にわかりやすく書かれており、入門書としてかなり優秀。以前、当サイトの紹介記事でも紹介されていたが、大事なことは二回言うべきなのでもう一度ここに紹介しておく。
・憑きもの
・妖怪
・河童
・鬼
・天狗と山姥
・幽霊
・異人・生贄
・境界
こういった妖怪を構成する要素から分解して解説しており、歴史的観点に基づいた考察なので説得力がある。柳田國男の民俗学、井上円了の妖怪学に関しても簡潔にまとめられているので、広く網羅できるおすすめの1冊。
小松和彦先生の妖怪学はとても論理的なので初心者でも大丈夫!

巡礼団の仲間入りを果たせ!

昔、日本人なら誰でも妖怪を見ることができた。魂が体から離れたり、キツネがついたりした。鬼や河童もいた。今、このような非合理の世界には蓋がされた。しかし、世紀末、世紀末と騒いでいる間に怪異が復活しないわけがない。霊力をふるい始めた妖異、怪異の地の魂を鎮めるために巡礼団を結成。その足跡をたどる異色のオカルト・ルポ。 (あらすじより)
こんなにそそる概要があるだろうか!いや、ない。(反語)
1991年発行というなかなか古めの書籍だが、新しい情報だけが良いものとは限らないことを見事に示してくれる一冊。
写真もあるので自分も一緒に旅に出ているかのような楽しさがある。東京にも、たくさん妖怪が潜んでいることを教えてくれる。

「妖怪馬鹿」タッグによる解説本

「妖怪馬鹿」タッグがお送りする百鬼解読。京極夏彦氏が書く「百鬼夜行シリーズ」に登場する妖怪たちが主となっているので、是非百鬼夜行シリーズも読みつつこの本を手に取ってもらいたい。しかし、百鬼夜行シリーズを読んでいなくてもこの本は単体で十分に楽しめると保証しよう。
多田克己氏の妖怪解説はあくまで学問的な姿勢をとっており、様々な蘊蓄と織り交ぜながらユニーク且つ冷静に進んで行く。
マスコット的に妖怪が愛されている世の中にこそ読んで欲しい一冊。心理学的、哲学的、科学的、論理的…いくつもの側面を持つ妖怪たちを読み解いていくと、妖怪の奥深さや面白さ、そして彼らの生い立ちがわかる。
鳥山石燕の画図百鬼夜行を元にした現代版百鬼夜行図といっても過言ではない。

  

ここからは、物語を紹介していく。

地獄の沙汰も金次第…

「地獄の沙汰も金次第。業を背負う覚悟と金があるのなら、その恨み、蛟堂に預けてみませんか? 悪いようには致しません。一週間以内に、必ずや片を付けてみせましょう」
現代日本を舞台にした、闇と怪異が錯綜するミステリーホラー。一冊の中に何話か収録されている短編集に近い形式の小説になっている。御伽噺と妖怪をテーマに、勧善懲悪…ではないけれどもそれに近い形で物語が進んで行く。
テーマと雰囲気がとても堂に入っているのでハマる人はハマる。ただ少しだけ、陰陽師的な描写は曖昧。でも読む価値はアリ!

地獄流しの美少年

鬼の代わりに罪人を地獄に届ける「地獄代行業」を営む美少年と、罪人が妖怪に見える目を持つ青年のミステリー。
設定も文章もしっかりしているので安心して読み進められる妖怪ホラーだと思う。事件そのものは凄惨で、グロテスクな描写があるものの結末や解決方法含めて納得できる。登場人物たちがそういう人の心を大切にしている描写があるからか、共感を得ることが出来る。
妖怪に合わせた罪人が現れ、妖怪の逸話になぞらえて事件が起きていくので妖怪知識が少しでもあれば「この妖怪ということは大体こういう結末かな?」と予想しながら楽しめる。

背中を虫が這う小説

読んで欲しい(号泣)
直接的に幽霊が出るわけではないが、自分の足元がぐらぐらと揺れて床が抜けていくような恐ろしさがある。
怪談よりも怪しく、奇談よりも奇妙な幽き物語たち。端正な美しさと不気味さが入り交じった京極小説の別天地がここにある。 (説明より)
幽、と線香の香りが漂うような文体、結末、読後感。今まで読んできた怪談本の中で一番好きである。もやもやするという人もいるかもしれないが、怪談とはそうあるべきなのではないかと僕は思う。人生全てに綺麗なオチがつくわけではないのと同じように、怪談物語に完璧なオチを求めてはいけないのだ。

想像力が一番怖い

その一行を読んで、どう思うか。人それぞれだと思う。たった一行、されど一行。その一行に詰まった怪異をどこまで想像できるか。自分自身を試されている気持ちになる一冊。
本当に短い作品なので、すぐに読める。活字が苦手な人でも安心な一冊。数が多い分、記憶に残るもの残らないものが別れるが寝る前に思い出してぞっとする作品もちらほらある。怪談を一文に凝縮してしまうというアイディアがとても面白い。
題名のないこの怪談の続きを描くのは読者なのだ…

 

いかがだっただろうか。キンドルで読めるものもあるので是非手に取ってもらえれば幸いだ。

 ▼鬼堂廻(きどうかい)  酒吞童子を敬愛。 
執筆作品:「鬼胎」「憂虞」「大江山酒吞童子伝」「少年学入門」
サイト:note.com/jyaiboteno

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