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灼熱の川越妖怪まち歩き2025|妖怪と地域が織り成すイベント実施レポート

妖怪と地域が交差する夏の日に


2025年7月5日、小江戸川越の町を舞台に、今年も「川越妖怪まち歩き」が開催されました。弊社も主催の一員としてこの日を迎え、多くの妖怪さんとともに街を歩き、商店を巡り、百鬼夜行を見届けました。

このイベントは、川越の中心市街地を巡りながら、地域商店や観光資源と妖怪文化を結びつけ、まち歩きを楽しんでもらうという取り組みです。今年も全67の協力店舗が参加、さらにそのうちの12店舗が、「妖怪巡り札」を使って商店と人々(妖怪含む)が交流できるという仕掛けにご参画いただきました。また、今年からなんと川越市や小江戸川越観光協会、川越商工会議所の後援も得ることができ、イベントとして一つの大台にのったような手応えがありました。

妖怪巡り札と猛暑のはざまで


今年の川越は例年通り暑く、当日は体温を超えるような猛暑日となりました。気温は37度超え。まち歩き日和とは言いがたい過酷な天候の中、妖怪たちは日陰を探しながら、涼を求めながら、川越の街を歩いていきました。

妖怪巡り札の仕組みは、巡り札の購入者が参加店舗を巡り、交流の証として札を交換するというものですが、この暑さで出歩く人の数はぐっと減り、思うように周遊の波は広がらず、やや静かなスタートとなってしまいました。

しかしながら、事故や熱中症の報告はゼロ。各参加者がしっかりと自己管理を行い、ルールを守って動いてくださったおかげで、安心して街全体を包むことができたのです。主催者として、これほどありがたく、誇らしいことはありません。

初めての妖怪たちの一歩


今年のもうひとつの特徴は、「初めて参加する妖怪」がとても多かったことです。イベント中、「SNSで毎年楽しそうな様子を見ていて、いつか参加したいと思っていました」といった声が、ちらほら聞こえてきました。

イベントに妖怪として参加するには、少しの勇気とちょっとの工夫が必要です。けれど、その一歩を踏み出した妖怪たちの表情は明るく、その姿が街に馴染むにつれて、まち全体が物語の舞台へと変わっていくようでした。

地域と妖怪が出会う瞬間


川越の街は、妖怪たちをあたたかく迎えてくれます。商店主の皆さんも「またこの季節が来たね~♪」「暑い中ご苦労さま!!」と笑顔で応えてくれます。中には、「ここでこういう面白いことがあるって知らなかったよ~~。もっと早く知りたかったよ!」という声もあり、出会いの連鎖が生まれていました。

出店やショップの前で、地元の子どもたちと妖怪が記念写真を撮る様子や、怖すぎて固まってしまうほどの子供の反応。そうした日常と非日常が交わる場所にこそ、このイベントの意義があるように思います。

百鬼夜行と夜のまち


夕刻になると、まちの空気が少し和らぎ、妖怪たちは百鬼夜行の準備を始めます。ほんのりと日が落ちた逢魔ヶ時、川越の街並みが一変。妖怪行列がゆっくりと進み、人々はその幻想的な光景に足を止め、見入り、シャッターを切ります。総勢60名の大行列。圧巻です。今回はユキノ様とお母様による胡弓と鼓の生演奏で駆けつけてくださり、雰囲気満点での行列となりました。

また、日中の厳しい暑さの影響で屋外出店の売上が伸び悩んだ反面、夕方から夜にかけては人出がほんの少し戻り、にぎわいを見せました。主催者としても、このような暑さの時期には「出店や行列は夕方以降に集中させ、昼間は周遊と分ける」という時間帯設計の工夫が必要であると、あらためて感じました。

妖怪という名のまちの魔法


今回の川越妖怪まち歩きは、猛暑という厳しい条件のなかでも、多くの学びと手応えを感じる一日となりました。地域と妖怪がともに生きる空間は、決して派手なものではありませんが、静かに、確かに、まちを変えていく力を持っているように思います。

誰かの記憶に残る風景。誰かが一歩踏み出した瞬間。それらを包みこむように、妖怪たちは今日も、まちを歩いています。

ではまた、来年もまた川越でお会いできますように。

※集合写真:公式カメラマン 顎門(@agito_photos)

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