合体失敗!?ミルメコレオ
カレーは美味しい、ハンバーグは美味しい。ではハンバーグカレーは?そうですね、2倍美味しいです。こんな風に1+1が2になるのは、机上では当たり前のことです。しかし、現実は意外とそうも行きません。
相性のいい二人を組ませる事によって、解が3以上になることもありますし、鰻と梅干し、塩素系漂白剤と酸性の洗剤のように混ぜることでマイナス以下の価値を叩き出すこともあるのです。
どうも、神代です。今日は、海外の伝承上の生物『ミルメコレオ』を紹介しようと思います。ミルメコレオはヨーロッパに伝わる想像上の生物で、その原点は聖書にあるとされる歴史ある存在です。
そして、冒頭に例え話をしたように、1+1が2にならず、マイナスを振り切ってしまった生物なのです。では、何と何を足した結果、この生物は生まれてしまったのでしょうか。
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ところで、ミルメコレオは、聖書由来の生物ではあるのですが、発端は聖書の誤訳からであるとされています。
ヘブライ語の聖書がギリシャ語に翻訳される際 翻訳元にミュルメクス・ライオン(ミュルメクスと言う名のライオンの意)という記述がありました。
しかし、ギリシャ語でミュルメクスは蟻という意味であり、ミュルメクス・ライオンはギリシャ語の翻訳で『アリライオン』とされたのです。この、ミュルメクス・ライオンが転じてミルメコレオという想像上の生物として伝播したと言われています。
随分と勿体つけました、ミルメコレオは上半身がライオン、下半身が蟻の生物なのです。その出自はアリとライオンの結婚(?)で生まれるとか、蟻の卵にライオンの精子がかかってできるとか色々言われています。
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では、このミルメコレオはどのような点でマイナスに振り切った生物なのでしょうか。
その1.マンボウより低い生命維持力
前述通り、蟻の卵から産まれるミルメコレオ。しかし、蟻の卵は当然のことながら地中にあります。ミルメコレオは地中で生まれ、そのまま大きくなるのです。
そのため、偶発的に掘り出されるような事がなければ、そのほとんどが地中で身動きが取れなくなって死にます。弱い。
その2.カゲロウより貧弱な食性
カゲロウという虫をご存知でしょうか。カゲロウ目の昆虫で細身のトンボのような見た目をしています。この生物は水棲ですが、成虫になると羽が生えて大空を自由に飛び回れるようになるのです。
しかし、成虫になると口が退化して、以後飢えて死ぬまで何も食べません。命を燃やして飛んでいるのです。儚く、美しい虫です。
ですが、それ以上に儚く、美しい食性をしているのがミルメコレオです。ミルメコレオは、肉食のライオンの性質を持つため植物を食べることができず、草食の虫の性質を持つため動物を食べることもできない。つまり、生まれた瞬間から何も食べることができないのです。
そのため、仮に地上に出られたとしてもすぐに餓死してしまうのです。罰ゲームみたいな人生ですね。僕は生まれ変わっても蚊とかハエになるのは嫌だなあと思ってましたが、ミルメコレオの方が万倍嫌です。
肉食と草食の両方の性を得たミルメコレオは、その矛盾により、結局どちらも食べることは出来ませんでした。二兎を追うもの一兎も得ず。向き合うべき物事をいくつも抱えると、身動きが取れなくなり、苦しくなります。ミルメコレオはそんな教訓を体現した生物なのかもしれませんね。
(画像:健康の園)
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