緊急事態宣言と首都封鎖(帝都物語、渋沢栄一)
本日2020年4月7日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた特別措置法による緊急事態宣言が出されました。
対象は東京都、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県になり、5月6日まで1カ月の期間となります。
ロックダウン(都市封鎖・都市閉鎖)とは違い、強制力はなく、あくまでも外出自粛の要請になり、スーパーやドラッグストアなどの食料・生活用品は買うことができ、鉄道交通なども制限はないということです。
ロックダウンではなく、同時に 経済対策も打ち出されているとはいえ、各種イベント等は自粛を余儀なくされ、外出することも自粛する必要が出てくるため、実質的な都市封鎖に近い形になるでしょう。
東京と陰陽師
対象の都市の中でも、最も影響が大きいのが首都・東京です。
東京は、陰陽師によって結界が張られていると云われています。
ちなみに、今回の緊急事態宣言は、安倍首相による宣言だったため、安倍の声明(アベノセイメイ)とも云われているとか・・・。
江戸の街は、江戸幕府を開いた際に、天台宗の僧である南光坊天海が陰陽五行説を元にデザインしたとされています。
明治維新やその後も、山手線や神社を起点に五芒星を形作り、東京の結界を守っているという都市伝説があります。
ちなみに、天海の正体は明智光秀だという都市伝説も古くからあり、江戸や東京の街が今の形になるまでには様々な人たちの思惑が関わっていることが分かります。
東京を舞台にした帝都物語
また、小説になりますが、荒俣宏氏の「帝都物語」では、帝都滅亡を画策する魔人・加藤保憲と、それに対抗する人々との戦いが描かれます。
「帝都物語」には、実在の歴史上の人物たちが出てくるのも面白さのひとつです。
平将門は、帝都東京を守護する亡霊として描かれています。
菅原道真、崇徳院とともに日本三大怨霊に数えられる平将門は、現在は神田明神に祀られ、千代田区大手町のビジネス街の一角には将門の首塚が今も残ります。
渋沢栄一と妖怪
渋沢栄一は、帝都東京を物理的・霊的に守護された都市にしようと秘密会議を開いた重要人物として登場します。(映画版では勝新太郎が演じていました。)
渋沢栄一と言えば、孫である渋沢敬三が日本銀行総裁や大蔵大臣を務めながら、柳田国男との出会いから民俗学に傾倒し、私設博物館を開設して、宮本常一や網野善彦などの名だたる民俗学者たちに大きな影響を与えたことでも有名です。
渋沢敬三は、柳田国男、折口信夫、南方熊楠らと並べて紹介されることが多く、日本の代表的な民俗学者のひとりと言われます。
また、渋沢栄一は2024年から発行される新紙幣の1万円札の顔になる予定と発表されています。
疫病などの災害時には、古くから改元、遷都、大仏建立、新通貨の発行などがされてきましたが、昨今の新型コロナ禍の様子を見ると、藁にもすがる思いで、新紙幣の発行を早めた方がよいのではないかという気さえしてきます。
以前の記事で、令和と妖怪の関係にも触れましたが、この上、妖怪と縁の深い渋沢栄一が新紙幣の中でも最も高額な一万円札の顔になるということは、妖怪の時代が近づいているということなのかもしれません。
緊急事態宣言が、まわりまわって妖怪の時代の幕開けのための宣言となるかもしれません。
文=渡邉恵士朗
■渡邉恵士老(けいちゃん)
北海道旭川市出身。早稲田大学人間科学部卒。在野の妖怪研究家。公認情報システム監査人(CISA)。
現在は経営・ITコンサルティングを生業として、北海道札幌市に居住しつつ道内各地や東京などを駆け巡っているが、大学の時には民俗学・文化人類学を学んでおり、ライフワークとして妖怪の調査研究を続けている。
現在住んでいる北海道にまつわる妖怪や、ビジネス・経済にまつわる時事ニュースと絡めた妖怪の記事を執筆中。
Twitter:https://twitter.com/keishiro_w
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