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4月の時事ニュースと妖怪(虚舟、針聞書、道祖神など)

新型コロナウイルスの蔓延による非常事態宣言が5月31日まで延長されました。

暦ではゴールデンウィークとはいえ、外出自粛されている方が多いかと思います。そこで、家で気軽に楽しめる暇つぶしのコンテンツとして、時事ニュースと絡めた妖怪の紹介をしていきたいと思います。

4月のニュースは新型コロナ関連のニュースが多く、暗い話題が多かったように思います。

そんな中でも、新型コロナ以外に話題になったニュースと、関連する妖怪をご紹介したいと思います。

米国防省がUFO映像を公開し、日本の自衛隊もUFO遭遇時の手順を検討

米国防総省が4月27日、米海軍のパイロットが2004年と2015年に「未確認の空中現象」に遭遇した様子を映した3本の動画を公開しました。

それを受けて、日本の防衛相も、自衛隊の航空機などがUFOに遭遇した際の手順を定めると発表しました。

あくまでも、「UFO」=「未確認飛行物体」というだけで、それが他国など国籍不明の航空機や新兵器であることだとは思われますが、宇宙人や未接触文明からの使者と考えると興味深いです。

UFOと関連深い妖怪として有名なものに、「虚舟(うつろぶね)」がいます。

「虚舟」は、日本各地の民俗伝承に登場する架空の舟です。

その異様な形から現代では、UFOやタイムマシーンではないかといった推測がなされています。

「虚舟」のうち最も有名なものは、江戸時代に曲亭馬琴(滝沢馬琴)が『兎園小説』に『虚舟の蛮女』との題で図版とともに収録した、1803年に常陸国(茨城県)に漂着した事例です。

虚舟について詳しくは、「妖怪ちゃんねる」の過去記事にも記載しているので、そちらもご参照ください。↓

バッタの大群の第2波が発生

先日放送された「やりすぎ都市伝説」でも取り上げられていましたが、アフリカで最大級の蝗害による被害が発生しています。いわゆる「飛蝗」という、サバクトビバッタの群生相によるものです。

「やりすぎ都市伝説」で取り上げられていたのは2月頃に発生した第1波で、4000億匹のバッタの大群がインド・パキスタン国境から中国に迫りました。

その後、4月下旬に東アフリカ地域で大量のバッタが農作物を食い荒らす被害の第2波が発生しています。第2波の数は第1波のおよそ20倍であり、アフリカ地域で少なくとも2000万人に影響が出るとされており、6月ごろに中国大陸もバッタの高リスク期に入ると見られています。

蝗害は歴史的に日本ではあまり発生しなかったため、日本の妖怪ではあまり飛蝗モチーフの妖怪は見られません。

一方で、昔から飛蝗が多かった中国では、「山海経」などに蝗害の怪などが語られています。

「山海経」にならって日本で書かれた「姫国山海録」では、北海道から九州まで取材し、図とともに25種の幻獣、妖虫が記録されており、珍獣というか、ゆるキャラのような絵が楽しいです。

鍼灸師のための口伝集である「針聞書」では、病の原因を虫の形で見える化しており、こちらも愛嬌のある虫たちの姿が描かれています。

ちなみに、北海道札幌市の手稲山口にある「バッタ塚」には、北海道開拓の入植者たちとトノサマバッタたちの戦いの跡が残されています。

金正恩が重病になった説が流れる

米CNNテレビが4月20日に、北朝鮮の最高指導者、金正恩朝鮮労働党委員長が手術を受けて重篤な状態にあると報じました。

その後、5月に入り金委員長の動静が報じられ、アメリカのトランプ大統領は「彼が戻ってきて、元気そうで、私としてはうれしい」とツイートし、金正恩氏の「重病説」は一蹴されたように見えます。

しかし、あきらかに金正恩氏の影武者(別人)にしか見えない映像が公開されたり、金正恩氏が不在の間に妹の金与正氏が積極的にメディアに登場し存在感を増すなど、北朝鮮の今後は波乱の予感です。

北朝鮮と言えば、弾道ミサイルを日本海に向けて幾度となく飛ばしています。

ミサイルは、北朝鮮の中において、ある種のシンボル的な存在となっているのかもしれません。

ミサイル的なシンボルを祀ると言えば、日本では「道祖神」があります。

有名なところでは、長野県の「道祖神祭り」があり、巨大な道祖神(要は、男根を模ったご神体)に女性が跨るという儀式がなされます。

現代の都市伝説で、「ミサイルに跨る女子高生」というものがあります。

女子高生がミサイルに乗って自動車を追いかけたり、追い抜かすというもので、高速道路を100キロ以上で走行するという「ターボばあちゃん」の噂のバリエーションの一つとして伝承されています。

アニメか何かが元ネタなのかもしれませんが、日本に昔からある「道祖神」と、都市伝説として既にある「ターボばあちゃん」との融合と考えると面白いかもしれません。

 

今回は3件のニュースを紹介しました。

時事ニュースも妖怪と絡めると楽しめるかもしれません。

ちなみに、先日はネットを中心にアマビエが話題になっていましたが、「ヨゲンノトリ」もニュースなどで取り上げられるようになってきました。

「with コロナ(ウィズコロナ)」、「after コロナ(アフターコロナ)」というキーワードが出てきていますが、今後、コロナウイルスという目に見えない敵と共生していくいくためには、妖怪という目に見えないものと共存してきた日本古来の考え方が役に立つのではないかと思います。

少しでもみなさんの暇つぶしになれば幸いです。

 

画像=「兎園小説(虚舟の蛮女)」曲亭馬琴、「姫国山海録」南谷先生、「針聞書」茨木元行

文=渡邉恵士朗

■渡邉恵士老(けいちゃん)

北海道旭川市出身。早稲田大学人間科学部卒。在野の妖怪研究家。公認情報システム監査人(CISA)。

現在は経営・ITコンサルティングを生業として、北海道札幌市に居住しつつ道内各地や東京などを駆け巡っているが、大学の時には民俗学・文化人類学を学んでおり、ライフワークとして妖怪の調査研究を続けている。

現在住んでいる北海道にまつわる妖怪や、ビジネス・経済にまつわる時事ニュースと絡めた妖怪の記事を執筆中。

Twitter:https://twitter.com/keishiro_w

ブログ:http://blog.livedoor.jp/meda3594/

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