今こそ借りたい予言獣の力
こんにちは、蓮見ハルです。
見えない敵、新型コロナウイルスとのたたかいはいつまで続くのかわからないなか、日本のみならず世界中の人々が不安な毎日を過ごしていることと思います。
SNSをきっかけに妖怪アマビエが注目されるようになりましたが、ここまで世界各地で感染拡大が続くと、アマビエに祈りをささげるだけでいいのでしょうか。
実は厄除けとして力を発揮してくれるのはアマビエだけではありません。
今回はアマビエとともに予言獣四天王ともいえる妖怪たちをご紹介します。
クダン (件)
クダンは19世紀に日本各地で知られていた妖怪で、さまざまな予言をしたとされています。
【件】という漢字が表すように、半分が人で半分が牛の姿をしています。
こちらの瓦版には、天保7年12月、丹後国の倉橋山で人面牛身の怪物「件」が現れたと書かれています。
また、「宝永2年12月にも件が現れ、その後豊作が続いた。この件の絵を貼っておけば家内繁盛し、疫病からも逃れることができ、いっさいの災いを逃れて大豊作となる」とも書かれています。
天保7年といえば、天保の大飢饉が起きていた頃であり、この瓦版には人々の藁をもすがる想いが現れているといえるでしょう。
ジンジャヒメ (神社姫)
神社姫は江戸時代に肥前国 (現在の長崎県および佐賀県) に現れたとされる妖怪です。
その外見は、2本の角が生えている人の顔と魚のような体をしています。
人魚に分類されるそうですが、アリエルとは大違いですね……。
神社姫は肥前国の浜辺に現れ、
「私は龍宮からの使い、神社姫である。これから7年は豊作だが、その後コレラが流行る。しかし私の姿を写した絵を見れば、その難を逃れ長寿を手に入れることができるだろう」
といってその場を去っていったそうです。
アマビコ (尼彦)
アマビエと同じく肥後国に出現したといわれるアマビコ。
アマビエと一文字違いで名前はよく似ていますが、その風貌はアマビエとは違い、猿のような体で3本足を持つ妖怪です。
どちらかというとアマビコが元祖で、アマビエはその誤記であるとする説もあります。
江戸時代の瓦版には、肥後国で夜ごと猿の声が人を呼ぶという噂があり、その噂を聞いた柴田左衛門が現場に向かうと、猿人間のような化け物に遭遇したとあります。
そして、アマビコもまた他の予言獣同様、
「自分の姿の写し絵を貼っておけば疫病や災いを逃れることができるだろう」
と言って去っていったのです。
予言獣の不思議
アマビエをはじめ、予言獣が言うことには共通点があります。
それは、
「災いを免れるために自分の姿を描いた絵を貼っておくとよい」
ということです。
これによって、瓦版を売るための手段として書かれているのではないかという説があるのも事実です。
しかしながら、すがれるものがあればすがりたいと思う人々の気持ちが、今ならわかる気がするのです。
先人の教えに学び、アマビエだけでなく他の予言獣たちの写し絵も持っておくといいかもしれませんね。
いずれにしても、はやくこの状況が収束してくれることを願うばかりです。
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