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恐竜妖怪ババメについてのあれこれ

どうも、鬼の首の考察編が行き詰まったので他の記事を書いて気を紛らわす神代です。考察から逃げているわけではないのです。来るべき考察へ前進するために、今は敢えて迂回しているわけですよ。うん、本当に。

……さて、タイトルに書いてある「ババメ」と言う妖怪を皆さんご存知でしょうか。境港妖怪検定の教科書にもなっている、水木しげる先生の「日本妖怪大全」にすら影も形も無い、まさに知る人ぞ知る妖怪です。

駅に恐竜のオブジェが何体も置いてあるくらい恐竜を推している福井県に住む私ですら、最近になるまでこの妖怪を全く知りませんでした。というか、「恐竜妖怪」という酢飯カレーが如き独特な組み合わせは常人の想像力を凌駕しています。いるのかな?と疑問に思ったことすらありませんでした。

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ババメは京都の山谷に住んでいた妖怪で、通行人を何度も襲っていました。ある時、その悪行を聞きつけた一人の勇敢な若者がババメを退治しに谷へ行くのですが、逆にババメに襲われて呑み込まれてしまいます。しかし、彼は持って居た鎌で中からババメのお腹を切り開き無事化け物を退治したのでした。

と、話はそこで終わりではありません。その晩、若者の夢枕にババメが突然現れ、そして言いました。

「(意訳)私はひどいことをしていた。せめてもの罪滅ぼしにこれからは生き物全ての命を守護しよう。

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流石ジュラ紀から日本の歴史を見てきた(推測)妖怪は懐の広さが違います。この反省の速さと発言スケールの大きさ、小心者の私は是非見習っていきたいです。

このババメの伝承は、出典が「季刊民話」という1974年に出た本で、実は比較的新しい伝承です。1970年代と言うと、所謂「第二次怪獣ブーム」の真っ只中…。世間が怪獣にスポットを当てた事によって、今まで下火だったババメの伝承が書籍に載るほどの認知を得たのでしょうか。

もし時代の流行物が発見される伝承に影響を与えるとしたら、令和の時代には一体どのような伝承が日の目を見る事になるのでしょうか。今から楽しみです。

(画像:イラストレイン)

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