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妖怪を食べちゃう?、火が舞い、涙がこぼれる——上野台湾フェス2025潜入レポート

週末、上野恩賜公園で開催された「台湾フェス2025」に足を運びました。都心とは思えないほどの熱気と香り、音楽と笑い声が交錯する空間に、私はすっかり“異界”に迷い込んだような気分になっておりました。

台北の夜市を模した屋台がずらりと並び、魯肉飯、胡椒餅、豆花、愛玉……数えきれないほどの台湾グルメが香ばしい湯気とともに誘惑してきます。その中でも、ひときわ目を引いたのが「妖怪」をモチーフにしたフードの数々。そう、このフェスには、“妖怪グルメ”が息づいていたのです。


妖怪モチーフの創作料理たち

台湾の伝統とユーモアが融合した妖怪モチーフの料理が登場し、見た目も楽しい逸品ばかりでした。

特に印象に残ったのは、“血だらけの妖怪”雞角精(ケイカクセイ)にちなんだ「激辛赤チーパイ(紅雞排)」と「鶏足薬膳煮込み(滷無骨雞爪)」。血のように赤く染まったチーパイは、見た目もインパクト抜群。実際に口にすると、辛さの奥にしっかりとした旨味があり、あとを引く味わい。ビールとの相性は抜群で、暑い日差しの中で汗をかきながら食べると格別でした。そして、コラーゲンたっぷりの鶏足煮込みは、まるで豚足のようにプルプル。薬膳の香りが鼻を抜け、滋養もたっぷりという一皿でした。

そのほかにも: ● 火を吐く神獣「麒麟𩗗(キリング)」の「妖怪マーラー牛肉麺」 ● 人喰い怪鳥「マザカザカウ」の「黒チーパイ」 ● 美青年妖怪「蛇郎君」の「蜜芋クレープ」 ● 悪戯妖怪「魔神仔」の「紅茶」 ● 金星人魚の「揚げタロ芋ドーナツ」

加えて、妖怪に限らず珍しいグルメも多数登場。 ● 豚ひき肉と胡瓜漬の煮込み飯「胡瓜漬ブタそぼろ飯(瓜仔肉飯)」 ● プリプリ食感の「串イカ団子(彈花枝丸)」 ● 高級食材カラスミ入りの「台湾ソーセージ(烏魚子香腸)」など

特大の酔っ払い親父スマイル

台湾の妖怪「キンラリ(金鯪鯉)」との出会い

フェスを歩くうち、黄金色の装飾が目立つブースで、珍しい妖怪に出会いました。その名も「キンラリ(金鯪鯉)」。台中市南屯区に伝わる、センザンコウのような姿をした霊獣です。地中から這い出して畑を耕し、作物の成長を助けるという、まるで土の精霊のような存在。最後にも触れるけれど台湾妖怪図鑑の作者、何敬尭(カ・ケイギョウ)さんのトークライブで、「魔法使いセンザンコウ」と呼ばれていたのがすごく記憶に残っている。その後、SNSでセンザンコウにふれてみたけど皆さんの反応もよかった。リアルでも未だに謎の多い生物だという。かわいいですよ。センザンコウ。

このキンラリ、春の訪れと共に現れる豊穣の象徴でもあります。端午節にはムカデ下駄を履いて地面を踏み鳴らし、キンラリを呼び起こすという風習があるとか。妖怪といえば恐ろしいもの、というイメージを覆す、豊かさと幸運の使者なのです。


神様と五鬼が歩いた!道教パフォーマンス

フェスのハイライトのひとつが、台湾道教の神様「鐘馗(しょうき)」と彼に従う「五鬼(ウークェイ)」たちの練り歩き。魔除けの神として知られる鐘馗が、冥銭の一種「外方紙(ワイファンジー)」を撒きながら、五鬼とともに会場を進む様はまさに異世界の儀式。紙が空を舞い、観客が笑いながら拾い集める光景は、厄を祓い、運を招く“縁起の可視化”でもありました。

何かをばらまくという行為、これ、百鬼夜行イベントにも活かせるかもしれないとふと思いました。ただし……散らかるんですよね、これが(笑)。


炎と涙のフィナーレ——即將成真火舞團の妖怪ファイヤー

2024年にも来場者を涙させた台湾最強のファイヤーダンスグループ「即將成真火舞團(Coming True Fire Group)」が、今年も来日。妖怪をテーマにした演出で、夜の会場を幻想的に焦がしました。

ただ棒をくるくる回すだけではなく、炎のフラフープや炎のキューブ、軟体芸、そして超特大のドラゴンファイヤー。次々と繰り出される最高の瞬間の波状攻撃に、涙腺崩壊。え?この入場料で本当にこれ観ちゃっていいの?と疑うほどの、圧巻で感動的なパフォーマンスでした。まさにフィナーレにふさわしい、魂が震える時間でした。


妖怪とフェスの共通点

台湾フェスの妖怪グルメに感じたのは、「異文化」と「異界」が交差するあの独特の高揚感。妖怪もフェスも、日常の殻を破って“違う世界”へ連れて行ってくれる存在なのだと改めて思いました。

もし、妖怪屋がこのフェスに出店するとしたら、「一反もめんバインミー」や「ぬりかべ豆花」、「カッパルチャーハン」など、どんな料理を出そうかと想像してしまいます。妖怪たちは、きっと笑いながら屋台の影に潜んでいたことでしょう。

異文化を味わいながら、妖怪と出会う。そんなフェスの一日が、私にとっては何よりの“ごちそう”でした。

そして最後に、台湾妖怪図鑑の作者・何敬尭(カ・ケイギョウ)さんとお話できたのも大きな収穫でした。台湾ではまだ妖怪イベントはそれほど活発ではないという話を伺い、「ではぜひ台湾でも一緒に盛り上げましょう!」と意気投合。日台友好の妖怪フェス、その夢は大きく広がり、現実味を帯びてきた気がします。


妖怪美食前進台灣——在上野台灣祭中發現的異界之味

上週末,我參加了在上野恩賜公園舉辦的「台灣祭2025」。熱氣、香味、音樂與笑聲交織的空間,讓人彷彿走入異世界。

模仿台北夜市的攤位一字排開,滷肉飯、大雞排、豆花、愛玉……無數台灣美食香氣四溢,令人垂涎。其中最引人注目的,是以「妖怪」為主題的創意料理。沒錯,這場祭典中,充滿了妖怪美食的氣息。


妖怪主題的創意料理

融合台灣傳統與幽默的妖怪主題料理,不僅味道出色,外觀也趣味十足。

特別令人印象深刻的是以「血淋淋的妖怪」雞角精為靈感的「激辣紅雞排」與「藥膳雞爪」。紅得像血的雞排不僅視覺衝擊強烈,入口後辣中帶香,讓人欲罷不能,與啤酒絕配。雞爪膠質豐富,宛如豬腳般Q彈,藥膳香氣撲鼻,是一道養生又美味的料理。

其他還有: ● 噴火神獸「麒麟𩗗」的「妖怪麻辣牛肉麵」 ● 食人怪鳥「馬札卡札考」的「黑雞排」 ● 美少年妖怪「蛇郎君」的「蜜地瓜薄餅」 ● 惡作劇妖怪「魔神仔」的「仙草山粉園紅茶」 ● 金星人魚吐出的「炸芋泥球」

此外也有許多珍稀台灣料理: ● 「瓜仔肉飯」 ● 「Q彈花枝丸」 ● 含烏魚子的「烏魚子香腸」等


與台灣妖怪「金鯪鯉」的邂逅

在金色裝飾的攤位前,我想起了一種名為「金鯪鯉」的妖怪。這是台中南屯區流傳的靈獸,外型如穿山甲,每逢春天從地底爬出耕地,是象徵豐收的精靈。

端午節時,還有穿著蜈蚣木屐敲打地面、喚醒金鯪鯉的習俗。這類妖怪不再令人恐懼,而是帶來福運與富饒的使者。


鍾馗與五鬼的道教表演

祭典中的亮點之一,是道教神祇鍾馗與五鬼的遊行。鍾馗撒下「外方紙」冥錢,一路驅邪納福,猶如走入一場異世界儀式。紙錢飛舞、民眾爭相拾取,整個場面既歡樂又神聖。

這種撒福行為,也許未來可以運用在百鬼夜行的活動中。不過嘛……現場還是會有點亂啦(笑)。


火與淚的終章——即將成真火舞團的妖怪火舞

2024年感動無數觀眾的「即將成真火舞團」再度來日,演出妖怪主題的火舞秀。從火焰呼拉圈、火焰方塊、軟體特技到巨型龍火舞,每一幕都震撼人心。

當下真的會想:「這張票價真的值回票價嗎?」無與倫比的演出讓人熱淚盈眶,堪稱完美的終章。


妖怪與祭典的共通點

台灣祭上的妖怪美食與活動,讓我深刻感受到異文化與異界交錯的魅力。無論是妖怪或祭典,都帶領人們脫離日常、進入另一個世界。

若妖怪屋未來也能在台灣祭出展,也許會推出「一反木棉越南三明治」、「塗壁豆花」、「河童炒飯」等料理,想像就令人興奮。也許某個角落,真有妖怪們躲著偷笑呢。

能在一場祭典中品嚐文化、遇見妖怪,對我而言,正是一場最美味的盛宴。

最後,我也有幸與《台灣妖怪圖鑑》的作者何敬尭先生交流。他提到目前在台灣,妖怪主題的活動還不算普及。我們一拍即合,約定將來要一起在台灣推動妖怪文化。日台友好的妖怪嘉年華,這個夢想,彷彿也變得更加真實、更加具體了。

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