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ハングドマンの呪い

どうも、神代です。生きていると突発的な不運に見舞われる事がありますよね。帰りに急な雨に降られる、友達と些細なことで喧嘩した、日常生活にこういった『突発的なトラブル』は付き物だと思います。

しかし、どんなことにも表と裏があります。急な雨に降られた後には綺麗な虹が見れるかもしれませんし、気になるあの子に相合傘をしてもらえるかもしれません。友達との関係だって、雨降れば地固まりで前以上の友人になれるかも知れない。

今回紹介する妖怪、『逆柱』も歴史の中でそういった二面性を与えられた妖怪です。

逆柱というのは元々建築界隈に伝わる俗信で、建物の柱に使う木をその木がかつて生えていた方向と逆向きに立てて使ってしまうと、その家では家鳴りなどの怪現象が起きるようになるというものです。

それだけだと、ある種の呪いのようにも見えるのですが、神奈川県に伝わる伝承では、逆柱に使われた木は、その不自然な状態故に苦しさで妖怪と化してしまい、毎晩すすり泣くようになると言われています。

考えてみれば、逆柱に使われていた木には何ら非は無いわけで、勝手に伐採されただけならいざ知らず、常に逆立ちをさせられたような状態で自らを伐採した人間に使われるわけですから、涙の一つも流したくなるでしょう。

しかし、栃木県の日光東照宮では逆向きの柱を一本だけわざと立てています。それは何故か、地方に伝わる風習の中に『建造物は完成した瞬間から徐々に滅びが始まる』という考え方があるからです。

それ故に普通に建物を完成させるのではなく、柱を一本だけ逆さに建てる事によって、滅びが始まらないように未完の状態にしたのです。まるでとんちのような発想ですが、建物が長く無事であるようにゲンを担いだという事でしょう

自分の住んでいる土地にどういう風習、俗習があるか。それ次第で人ならざる力はゲン担ぎにも、怪奇現象にも解釈される。これって面白いと思いませんか?

良い妖怪、悪い妖怪、そんなものは人の都合で諮ったものでしかありません。彼らはそこに在るだけ、善悪の観念で動くのは往々に人間の側のように思います。

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