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妊婦の怨念、妖怪姑獲鳥(うぶめ)。

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Wikiより「鳥山石燕」の産女
今日は産女(うぶめ)の話です。
この産女についてはあまりご存知ない方が多いと思います。

産女(うぶめ)について

最近ですと京極夏彦の「姑獲鳥(うぶめ)の夏」などが一番話題にあがりましたが。
簡単にご紹介致しますと。この産女は妊娠中に死んでしまった女性を
墓にそのまま埋葬すると化けてでるとして広い範囲で
語り伝えられている妖怪です。
赤子を抱いて出血している妊婦の形だったり、鳥のような形だったりと
地方によってまちまちですが、冒頭の通り
壮絶な怨念がこもってますので
9割は人に害をなす妖怪であるようです。

妊娠出産は命がけ

医療が発達していない昔は
妊娠したまま死んでしまうということが多々あって
お腹に子を宿したまま無念の死を迎える
女性が多かったそうです。
この時代に生まれた我々としては信じがたいことですが
出産というのはまさに今も昔も命がけ、麻酔も何もない
状態から続く生命の神秘ですが、、確率的な事をいえば
今がどれだけ恵まれている環境なのかと思うわけです。
昔は医者も何もいないので何度も何度も身ごもっては流産、死産し
ようやく無事に出産しても病気で亡くなるなど、本当に大変でした。
だからこそ、昔の人は神や仏への信心もあつく
人の命や食べ物を大事にするという精神が生きることと同じくらいの
レベル感で一緒に育まれたのです。
その信仰心の一つとして「産女」にならないように と、昔の人は
亡くなった妊婦から胎児を取り出し、
抱かせてあげる事で成仏を祈ったそうです。
 

時代を繰り返さないために

こうして妖怪という形に顕現したのは
そのような「無念」を昔の人々は本気で畏れていて
自分の娘や息子に、そうならないように
信心深くいなさい
という愛を説いていたのです。
水子の霊なども同じことですね。
医療が発達した現代でさえ・・・
命を授かるということがどれだけの奇跡か
姑獲鳥が頻出した時代からすれば
生まれてきた子供を大事にできない親は
うらめしすぎるように見える事でしょう。
なにせ、彼女達は、産みたくても産めなかったわけですから。。。。。
医療がどれだけ発展しても、
生まれてきたことを奇跡と捉えて常に周りに感謝する。
そういう信じる心が無ければ子育ては絶対に成功しないと思います。
現代にはびこる育児放棄や、放置事件などが無くならない限り
妖怪産女の無念はまだまだ続くでしょう。
せめて、自分の娘は奇跡を信じて感謝する気持ちをもって
育て上げたいと思うばかりです。
 

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