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Q,百鬼夜行の先頭にいるのは?

はいどうも、神代です。近年の作品群には『昔流行した〇〇のリメイクor続編!』っていう作品がすごく増えている気がします。何故でしょうね、全く新規の作品を世の中に出しても〇〇のパクリ、などという心無い意見を受ける事があるからでしょうか。

全ての作品はシェイクスピアのパクリ、という言葉もありますし、そのシェイクスピアも「創作とは模倣である」と言っているのです。創作者の皆様は心無い批判に躓くことなく作品を生み出していって欲しいと心から思います。

さて、そんなこんなで古い資料の話です、日本最古の妖怪絵巻「百鬼夜行絵巻」。今日紹介する妖怪である『矛担』は、その絵巻物の先頭に描かれている妖怪であり、可視化された中ではこの世で最も古い妖怪という事になる……のでしょうか。

この矛担は、一般的には使われなくなった矛が捨てられた後、付喪神となったものと言われています。その矛担が人間への不満を募らせて百鬼夜行を引き連れてやってきたのかと考えると、復讐譚じみた物語性が生まれますね。しかし、妖怪絵巻の一番最初が神というのは八百万の神が住むと言われている日本らしいと思います。良いモノも、悪いモノも同じく神が宿るのです。

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矛担の見た目は読んで字のごとく矛を担いだ青鬼です。しかし、実際この矛担ぎが現れたという伝承は見当たらず、ただ絵巻物に描写されているだけの存在です。

武器を持った鬼というと平安の怪異退治専門家であった頼光四天王が一人、渡辺綱が単身で討伐したとされる『羅生門の鬼』が錫杖を持っていた事が思い出せますが、矛を持った鬼というのは思いつきませんね。

しかしまあ、正直この妖怪自体は特に語るほどの物がないように考えます。ただ、「始まり」に出てくる妖怪が「」を持っているという点は、個人的により注目されても良いように思えるのです。というのも先述の2点は、とある伝承と符合するのです。

その伝承とは、日本でもっとも有名な伝承物語。そう、日本神話です。まだ日本が出来る前、イザナギとイナザミの二柱は別天津神達に浮遊している大地を完成させろと命じられ、日本最初の大地であるオノゴロ島を作り上げました。その際に使用した道具が、何を隠そう天沼矛、矛なのです。

矛を持った妖怪を最初に走らせたのは、『百鬼夜行絵巻』が人間の世界を壊して、妖怪の世界を作るべく侵攻して来た場面を描いたものだからでしょうか。……え?その中学生のような設定は何のパクリかって?そりゃもうシェイクスピアですよ。

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