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栄誉権現様のお話。

草木萠動。そうもくめばえいずる。

草木の芽も萌えはじめ、寒さも緩み、すこしづつ春に近づいているのだと、実感できる時期でございます。

しかし、今は春めく雰囲気に現を抜かず、まだ気を張ってひたむきに勉学に励んでいる方々もおられるようですね。

目指す学府に入ろうと、努力なさっておられる方々、全ての方が望む結果を得られればよいですが、そうはいかぬのが世の辛きところでございます。

他に抜きんでなければ、望みは叶いませぬ。他を抜き、他抜き……たぬき……狸………… おっと、失礼いたしました。

しかし、ただ駄洒落てみたわけではございません。

 

そう、何を隠そう、狸には「他を抜く」という御利益があるのでございます。

 

中でも、私がよくお参りさせていただいておりますのが、東京は上野東照宮におわします御狸様。

本日は、栄誉権現様という狸のお話をさせていただきます。

上野東照宮社殿の脇に、栄誉権現社という小社祠がございまして、そちらに祀られておりますのが、栄誉権現様でございます。

もともとは四国八百八狸の総帥であったとされておりまして、江戸時代、おそらくは蜂須賀家より大奥に奉献された御狸様ですが、大奥でもずいぶんと暴れ回られ災いをもたらしたそうでございます。

その後大奥を追放されましたが、行く先々に不幸をもたらし、渡った大名家旗本もお家断絶まで追い込んだとか。

しかし、大正に入り、上野東照宮に納められ、ようやっと災いをもたらすことがなくなったのでございます。

今現在は、先ほども申しましたように、「他を抜く」他抜き、おたぬき様として他を抜き勝利を呼び込むとされ、勝負事、商売繁盛、受験合格などに御利益があると信仰されてございます。

それにしても、他を出し抜き狸親父などと揶揄される徳川家康公、それを祀る上野東照宮に納められたのが他を抜く御利益のある御狸様というのは出来過ぎたお話でございますね。

さて、私が栄誉権現様をご紹介する際に申し上げた「もともとは四国八百八狸の総帥であった」という所でございますが。

お詳しい方ならば、それは犬神刑部のことではあるまいか?と、ぴんと来ていたかもしれません。

実は、この栄誉権現様、本当の本当には犬神刑部と同一狸であったのではないかと考えてらっしゃる方もいるそうでございます。

しかし、実のところ、四国のあちこちで己が四国狸の総帥であるという大狸たちがおるのでございまして、本当の所はようとして知れませぬ。

上野の祖木といわれる御神木、大楠の枝葉茂る社殿脇の祠の中で、天井を見上げつつ人々に祀られる栄誉権現様の尻尾をつかむ事などは、我らには到底できぬ事なのかもしれませんね。

もし今回ご興味をもたれたみなさまも、余りしつこく詮索なさって、御狸様の御不況をかわぬようご注意くださいませ。

なにせ、今はおとなしいとはいえ、元はと言えば、世に類をみない悪行狸でございますゆえ…………

 

……それでは、今日のお話はここまで。

またお目にかかりましょう。

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