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画鬼・河鍋暁斎 とんでもなくパンクな野郎

先日、三菱一号館美術館にて開催されていた
とある浮世絵師の展示イベントを取材してまりました。
その浮世絵師の名前は
河鍋暁斎
狩野派の流れを組む浮世絵師です。
暁斎氏は人の死が今の時代よりももっと身近な時代。
激動の幕末に生まれました。
そんな時代に生まれた彼は
時代に寄り添うかのようにやはり激動の人生を歩み
数々の伝説を生み出します。
私がさっそく驚いたのは生まれてから成人に至るまでの経歴

  • 7歳で浮世絵師・歌川国芳の門に入り浮世絵を学ぶ
  • 10歳で狩野洞白陳信に師事し狩野派の画法を習得。
  • 19歳で独立

19歳ですよ?すごいです。
19歳の私は何をしていたでしょうか?
まだ学生気分よろしく大学ライフをエンジョイしてましたかね?(笑)
(実際は高卒なのでピチピチの社会人でしたが…。)
少なくとも自分の武器も志ももたず
鼻水を垂らしながら世間に流される側の人間であったことは間違いない。
そんな私と違って彼の場合は7歳から
絵を描きまくりつづけているわけですから
独立する頃にはそれはもう現代でいうと神様・仙人の域ですよね。
といわれても実物をみてみないとイメージがあまりわかないかもですので
実際に彼が独立する直前(18歳)に描いた作品「毘沙門天」をみてみましょう。
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見てくださいこの威圧感…技術力…。青臭さは微塵も感じられませんよね。
しかし、そんな彼は政治系の風刺画なども描いていたため
1870年には政治批判をしたとして逮捕投獄されてたりします。
今からすると考えられないですよね。
逮捕覚悟でも「表現する」のが普通の時代。
そこにお金の問題や著作権云々は関係ありません。
何かを誰かに訴えたいという彼自信の「魂」のようなものが
画に描きこまれているものですから、
自然と画に釘付けにされてしまうのです。
これはもう画自体が妖怪そのものではないかと思うほど。
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「髑髏と蜥蜴」※出展d.hatena.ne.jp
閑話休題
さて、もう少し暁斎氏の驚くべきエピソード話をしましょう
幼少期の暁斎氏は、
神田川から流れてきた人の生首を拾ってきて熱心にデッサンしていた!?
などというとんでも逸話もあるんです。
そんなものが神田川に流れてきている時点ですでにものすごいんですけど。
私はその逸話を調べている最中になぜか
水木しげる先生
の顔が浮かんできたんですよ。
何故かと申しますと、実はこの二人には妖怪画を描く以外にも共通点があるんですよ。
この二人の共通点はですね。
幼少期から「」に興味があった
という点なのです。
かの水木先生も幼少期には「のんのんばあ」*からの
死後の世界の話をきいているうちに、「死」に興味を持ちはじめ
弟を海に突き飛ばして殺そうとしたり(普通に殺人未遂ですw)
したそうで、その理由が人が死ぬという概念を知りたかったからなのだそうです。
*水木氏の故郷である境港の実家の家にお手伝いに来ていた「景山ふさ」という老婆のこと。境港では神仏に仕える人を「のんのんさん」と呼ぶ
背伸びしまくって便乗しますが
何を隠そうこの私も、小学校の頃に
同様に、「」に興味がありまして、心霊写真特集や妖怪図鑑を
こよなく愛しておりましたし、当時、顔に似合わず漫画クラブに入っていたのですが
ガイコツが好きすぎてガイコツが主役の漫画を自作してたりしました。
余談ですけど、そのガイコツは骨とか自分の頭を敵に投げて
やっつけるヒーローでして、毎回投げた頭や骨を自分で拾いにいくという
シュールなネタをお約束でやる、超ホネホネロックなやつだったんです(錯乱)。
あとからマーブルヒーローズのゴーストライダーにパクられましたけども!(怒)
あぁ…。本気でガイコツヒーロー描き続けてたら今頃ねぇ(遠い目)
あ、取り乱しましたが…。
思えばその幼少期の死への興味が今の私の妖怪好きのルーツにもなっているわけです。
死というのものは人の本能を刺激する重大な要素なのでしょう。
水木先生も暁斎氏も絵を描く事で、それらを
認識、理解できるものにしようと試みたのかもしれません。
何かへの「興味・執着」
それは世に妖怪が生まれてくるための源泉なのかもしれませんね。
そんなわけで暁斎氏はそのような過激な幼少期を
経て成長し、その生涯をとじるまで
妖怪画や幽霊画をはじめ作品を無数に生み出していきました。
後期作品になるにつれて、絵のラインナップも狂気じみていく。
展示会ではそんな暁斎作品の迫力に終始圧倒され、
歩んだ人生の濃密さに嫉妬さえ覚え。
全て観終わってもしばらく余韻が続き、
結果的に私の人生にも大きな爪痕を残すような
インパクトの強いものとなりました。
本当に一言では言い表せないのですが
暁斎氏の他に追随を許さないほどの反骨精神や狂気
が絵にすぅーっとすりこまれているのが
すごく伝わってきます。
あ、そうそう!↑の文章書いてて
よいたとえが見つかりました。
これ(暁斎氏の生き方)ってば
音楽のジャンルでいうとパンク
なんですよね。どうりで人の心にダイレクトに響くわけです。
生、死、躍動感、魂、欲求、自由。全て直球でかっこいい。
妖怪好きでなくてもかなり楽しめますので
是非とも観に行って頂きたい。
2015年9月6日(日)までやってます!
http://mimt.jp/kyosai/

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