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なぜ私は「妖怪島」を夢見るのか──ツリーハウスと離島の魔力

Xのポストで唐突に呟いた「妖怪島」という言葉。実は私の頭の中に住みついてもう何年にもなります。

伊豆大島で感じた“島の魔力”

最初のきっかけは、6年ほど前。伊豆大島で妖怪企画をやらせてもらったときのことでした。豊かな自然、ゆったりとした時間、そして土地の人たちの温かさに触れ、「ああ、島っていいなあ」と、感情を揺さぶられたのです。それ以来、ずっと心のどこかに「島」という場所への憧れがくすぶっていました。

写真:妖怪屋、雪の◯氏、蘇芳さくら氏

妖怪とツリーハウス、そして自由な暮らし

その後も、「妖怪島」の種は水を吸い続けます。ゲゲゲの鬼太郎のツリーハウスに住みたいという子供の頃の夢。コロナ禍を経て進んだリモートワーク。仕事の拠点が都会でなくてもいい時代が来た今、「妖怪的な暮らし方」が妙に現実味を帯びてきたのです。

朝は寝床でぐうぐうぐう──鬼太郎のような生活を一度でいいからしてみたい。夢がありますよね。みんな仕事しすぎです。生きるって、もっと自由でいいと思うんです。

妖怪は基本的に、そんなに仕事をしません。そのかわり、お金もいりません。彼らは究極のミニマリスト。必要なものだけで生き、無理せず、無駄なく、己のペースで日々を過ごす。そんな妖怪のような暮らし方に、私たちはもう少し学んでもいいのではないでしょうか。

小豆島妖怪万博と、島の空気

つい最近も、小豆島で開催された妖怪万博に足を運びました。瀬戸内の穏やかな空気に包まれながら、またもや心をつかまれてしまった私は、「妖怪島構想」への思いをますます強めていきます。離島には独特の時間の流れと文化があり、妖怪という存在と実に相性がいいのです。

現実味を帯びる「妖怪島構想」

今では、2000万円あれば小さな島を手に入れられるかもしれない、という具体的な情報も出てきて、ただの夢が現実の可能性としてちらつき始めました。もちろん現実問題として、虫とか雑草とか、コンビニがないとか、家族からの猛反対もあります。でも、やっぱりロマンは捨てきれないのです。

ちなみに家族からは、「やるなら一人でどうぞ」というお達しも受けておりますので(笑)、本気で動き出す際は一人暮らしになるかもしれません。もちろん、きちんと家族を養うことは前提です。

妖怪が集まる仕組みを考える

では、「妖怪島」にはどうやって妖怪たちが集まるのでしょうか? 一つには、妖怪好きが集まるリアルな場をつくること。アーティスト、作家、クリエイターたちが一定期間滞在できるレジデンス形式の施設を設け、各地の妖怪文化や伝承を元にした作品を創ってもらう。

もう一つは、土地のエネルギーそのもの。人の手が入りすぎていない自然は、妖怪たちにとって心地よい環境なのです。風の音、木々のざわめき、夜の闇。そうしたものを大切にする空間にすれば、おのずと“妖怪的存在”が寄ってくる。妖怪とは、人の営みの隙間に生まれるもの。だからこそ、余白の多い「島」という環境はうってつけなのです。

島でできること、そして子どもたちへ

もし本当に妖怪島ができたなら、そこではどんなことができるでしょう? 妖怪テーマのキャンプ場、創作合宿、アート展示、子ども向けの体験型冒険エリア、地域の妖怪伝承を紐解く博物館……妄想は膨らむばかりです。読者の皆様もアイディアがありましたらぜひコメントをお寄せください。

そしてなにより、そんな自由な発想を形にしていく背中を、子どもたちに見せたいという気持ちがあります。「大人になっても、やりたいことをやっていいんだよ」と、生き方そのもので伝えていきたいのです。

妖怪島は、単なる夢かもしれません。でも、夢を語ることが生きることに直結する時代に、私たちはいるのではないでしょうか。

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