オニャンコポンとアフリカの妖怪たち
昨日2月13日夜23時過ぎに福島で大きな地震がありました。
福島県の中通りと浜通り、宮城県南部で震度6強が観測されています。
もうすぐ東日本大震災から丸10年というタイミングだったため、当時のことを思い出した人も多いようです。
私自身も311の時は茨城県北部に住んでおり被災したため、当時住んでいた場所の今回の地震の被害状況を調べましたが、大きな被害はないようで一安心しました。
まだしばらくは余震が続く可能性があるので、東北や北関東にお住まいの方は、用心が必要かと思います。
地震や災害と妖怪の関係については、過去の記事を参照ください。
https://youkaiya.jp/archives/1553
ガーナの神様「オニャンコポン」
話は変わり、本日2月14日は聖バレンタインデーです。
チョコレートの原料となるカカオ豆は、コートジボワールやガーナなど、西アフリカの国々での生産量が多い作物です。
ガーナの神様で有名なものとして、「オニャンコポン」がいます。
オニャンコポンは西アフリカ・ガーナのアシャンティ人に伝わる神であり、天空神、創造神とされています。オニャンコポンは同じくアシャンティ人などに伝わる神「ニャメ」の別名とされることも多く、アカン語話者の神とされることもあり、その神としての位置づけには曖昧な部分が多くあります。
「オニャンコポン」という名前は、最近では「進撃の巨人」の登場人物として有名になりましたが、その名前の元ネタは、上記のガーナの神様と思われます。
アフリカの妖怪たち
アフリカの妖怪は、各国や民族によって伝承が大きく異なっており、地域によってはヨーロッパやイスラムの影響が濃く残っているところもあります。
「アンドルムン」は西アフリカのドゴン族に伝わるもので、小人の化け物です。
「イエバン」は西アフリカのサンガ族の間で、幽霊のような存在を指しています。
「アスプ」は、アフリカ北東部にいる、コブラに似た姿を持つ怪蛇です。
生き物を眠らせる不思議な視線を持ち、これに見られると、どんな生き物も眠ってしまうといわれます。
ローマの著述家・プリニウスの博物学に関する著作「自然誌」で紹介されています。
「カトブレパス」は、エチオピアに棲む、黒い水牛のような身体を持ち、頭は豚に似ている怪物です。
カトブレパスに睨まれた人は必ず死んでしまうといわれていますが、頭が重くいつも下を向いているため、それほど危険がないともいわれています。
しかし、その吐く息にも毒があり、これに息を吐きかけられた草は枯れてしまうといわれています。
アフリカ妖怪は、日本ではあまり聞かないマイナーなものが多いですが、水木先生がいわれる「妖怪千体説」のように、日本にいる妖怪と似た妖怪も中にはいます。
日本とアフリカの共通点を、妖怪を軸に探ってみるのもおもしろいかもしれません。
参考文献:「水木しげるの続・世界妖怪事典」(水木しげる、東京堂出版)
文=渡邉恵士老
■渡邉恵士老(けいちゃん)
北海道札幌市在住。旭川市出身。早稲田大学人間科学部卒。在野の妖怪研究家。ITコーディネータ、公認情報システム監査人(CISA)、プロジェクトマネジメントプロフェッショナル(PMP)。
現在は経営・ITコンサルティングを生業として、北海道札幌市に居住しつつ道内各地や東京などを駆け巡っているが、大学の時には民俗学・文化人類学を学んでおり、ライフワークとして妖怪の調査研究を続けている。
現在住んでいる北海道にまつわる妖怪や、ビジネス・経済にまつわる時事ニュースと絡めた妖怪の記事を執筆中。
Twitter:https://twitter.com/keishiro_w
ブログ:http://blog.livedoor.jp/meda3594/
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